ACT TWO



第一幕 スウィングタイム・ダンススタジオ

ペニー紺野がチャンスを掴んだとスタジオ全体が盛り上がる中、ラッキー坂本は浮かない顔。…いかん、この表記だとどうもお笑いの匂いがするので、普通に役名表記のみで。とにかく、スタジオメンバー全員で踊り始めると、そこで先頭を切ったのはメイベルこと大浦みずき。さすがヅカのしかも男役出身だけあって、迫力のステージ。坂本紺野を左右に従えセンターで踊る姿も華がある。そこへモーガンサルがやってきて、ラッキーの指示で買った値下がりしそうな株が当たってしまい、また2万5千ドル儲かってしまったと報告。2万5千ドル手に入れてしまうと、ボードヴィルに戻ってアキヤマ…じゃない、マーガレットと結婚しなければならないと慌てるラッキーに、「今度こそ大暴落間違いなしの投資をした」と請け負うモーガンサル。


第二幕 ヴァン・ダ・ダンダー・センター

カーテンの陰に立つスパッド(すばる)とベルマ。すばるの衣装はやっぱり一幕と同じピンクシャツで、もしやこれ一着のみ?写真撮影の後時間を取りたいと言われて「手配してある」とすばるが答えると、「アンタが田舎者じゃなくて良かったわ」にっこり笑ったベルマに、「俺もお前が妹じゃなくて良かった」とキッス!すばるのキッス!CD100枚買わないとしてもらえないキッスですよ、皆さん!(興奮しすぎ)そこへビルの完成を祝って多くの記者が入ってきたため、さっと離れる二人。カーテンが開くと、そこはすでに完成したシルバー・ライニング(店名)。コンテスト出場者の写真撮影が行われ、当然ラッキーとペニーも参加。なぜかそこにはデート中らしきメイベルとモーガンサルの姿も。迷ブローカーのモーガンサルはまたしてもラッキーの資産を増やし、更に2万5千ドルが儲かったと報告。互いが取材を受けている合間に、ペニーはメイベルの恋の相談(ここで歌う“A Fine Romance”が何故か妙に耳に残る)、ラッキーはモーガンサルに「早く婚約を破棄することだ」と忠告される。しかし連絡をつけようにもマーガレット一家は旅行中でメイドしか電話にでないと愚痴るラッキー。皆が捌けた後にも残って途方に暮れるラッキーの前に、なんとマーガレットと彼女の父親が現れる。新聞に彼が(株で?)大成功したと記事が載り、それを見て駆けつけたとのこと。手のひらを返した父親は「式場も予約した」と、このシルバー・ライニングでコンテスト終了後に結婚式を挙げようと計画。何も言えないラッキーに、勢いで騒ぐだけ騒いだアキヤマ親子(違)は「楽しみにしてる」と素早く撤収。その後に、取材が終わってコートを羽織ったすばる達が出てくるんですが、なに?その衣装。薄っぺらいチェックのコートに、同じく地味色チェックのマフラー+帽子。1930年代にはそんなダッサい服装が流行ってたんですか、衣装さん?「ボランティアでダウンタウンのお年寄りにダンスを見せに行く」と説明する二人を見送ったラッキーの元に、「あの二人ならリムジンに乗ってアップタウンの方へ向かったぞ」と頼んでもいないのに報告してきたモーガンサル。それはおかしいと後を付けるラッキー、いきなりNY中年探偵団結成。


第三幕 ティップ・タップ・クラブ

そして追いかけた先の劇場では、黒塗りが際だつ真っ白なスーツに身を包んだすばると、ほとんどレオタードに近い露出度の彼女のダンス。両方真っ白な衣装なので、結婚式風?(でも新婦は露出狂)どうやら次の公演用の振り練習?とかで、ボウズ少佐の片腕と紹介されていたスカウトマンも公認の様子。アタッシュケースみたいな白い鞄を小道具に踊る場面が、おそらく今回すばる(とベルマ役の彼女)最大の見せ場。歌もあるんですが、どうもすばるにはキーが低すぎて難航してる様子。歌い方も正式に教わった発声でやっているため、慣れずにやりにくそう。特にデュエット部分。なにぶん彼女役が上手すぎるので、所詮素人ジャニタレには荷が重い…。しかし途中から短いながらも各自ソロパートがあり、そこでふっとすばるの歌い方になるのに胸キュン(死語)。我ながらやっすいお客さんです。それを物陰から見ていたラッキーとモーガンサル、「お前達プロだったのか」と姿を現し、アマチュアのダンスコンテストには出られないと忠告。顔色を変えた(黒塗りだけど一応)すばると彼女と違い、スカウトマンは「そんなことが言えるのか?」とラッキーの正体を知っていることを告げる。そこへボードヴィルで一緒に組んでいた踊り子三人が入ってきて、彼女らの口から真実がばれる。マーガレットとの婚約のことも含め、黙っていてほしいならコンテストを棄権しろと逆に脅され、仕方なくラッキーは頷く。


第四幕 セントラル・パーク

階段のセットが用意された舞台上を、「ペーーニーー」と叫びながら走り抜けるリカルド、反則だ!更にその後ろを三人のボーイズが「ペーーニーー」と叫びながらついてゆく、それこそ飛び道具!ずーるーいー!そんなオイシイ場面を、是非スパッドにも!(歌やダンスの見せ場ではなく笑い所ばかり羨ましがる偏ったファン層)そのリカルド達から身を隠すように踊り場から降りてきたペニー、そして同じく彼女を捜していたメイベル。ラッキーの優柔不断な態度に迷うペニーに、「でもあなたが愛してるのは彼よ」と告げるメイベル姐さんの貫禄に、客席も思わず一緒になって頷く始末。メイベルが去った後リカルドから改めてプロポーズを受けたペニーは、返事を保留。「考えさせて」と言われて、「ってことは希望はあるんだね?」と内博貴並みにポジティブなリカルドは、しかしかつて結婚するはずだった女性が修道院に入って振られてしまった過去を語る。リカルドが去った後には今度はラッキーがやってきて、千客万来なセントラル・パーク。二人は互いの気持ちを確かめ合い、そこでラッキーが全てを打ち明けようとした時に、「もうコンテストが始まっている」と呼び戻される。


第五幕 シルバー・ライニング

慌てて駆けつけたシルバー・ライニングの舞台上では、
赤と黒のラメベスト(悪趣味)にグレーのシャツと黒のパンツ、赤地に黒の縁取りの入ったフリルタイ(更に悪趣味)を身に纏ったすばる(と彼女)がダンスを披露中。ウリナリ社交ダンス部にしか見えないのは、心に秘めておこう。(書いてるし)ラッキー達が現れた事に驚いた様子のすばる達だったが、悪スカウトマン(ちゃんと役名ありますが、めんどくさいのでこれでいく)に「わかってるだろうな」って感じで睨まれると、ハッと気づいて表情を変えるラッキー。促されて踊り始めたものの、途中でペニーの手を振り払い、「僕は棄権します」と宣言。そしてどさくさに紛れてすばる達の方にも向かって、「僕も彼らも出場資格はありません」とプロであることをばらす。コンテストは中止になり、怒ったすばるは坂本に食って掛かるかと思いきや、悪スカウトマンに向かって「アンタと組んだのが間違いだった!」と指差し、まるで「チャンプのためじゃない、アンタ自身のためだ!」(@ドリボ)まんま。一同パニクっていると、そこへアキヤマ親子(もうこの方が通りがいいので正式名称に採用>そんな勝手な)が現れる。絶体絶命のラッキーは、諦めてペニーに向かってアキヤマ妹を「僕の婚約者です」と紹介。そこへ各所で話に割って入ってきたモーガンサルが、ここでも登場。ようやくラッキーの希望通り、ブロードウェイに投資した結果(このへんちょっと皮肉な脚本)、破産したと報告。これで全てが振り出しに戻り、大騒ぎの末、ラッキーとペニー二人だけが残される。「本当のことを打ち明けるつもりだった」と詫びるラッキーに、「私たちもう終わりね」とペニー。終わりって、まだ何にも始まってなかったはずですが…。項垂れて去りゆくラッキーに、「最後に一つだけ聞かせて」とペニーが尋ねたのは、「あの人(アキヤマ妹)ダンスは上手なの?」さぁ?アニキはMAのお荷物扱いですが、妹のことは存じ上げません。>誰もアナタには聞いてません。坂本さんも答えにくいのか(芝居と現実がごっちゃになってきた)「彼女は関係ない」と言った後、「僕が踊りたいのは君とだけだ」と殺し文句。もうダンスは踊らないとラッキー、ようやくここで主題歌?“Never Gonna Dance”を歌い出す。


第六幕 シルバー・ライニング(翌朝)

一夜明け、無人のコンテスト会場に佇むボウズ少佐の前に「一言謝りたいと思って」とラッキー登場。「顔も見たくない」と言われながら頭を下げていると、そこへお揃いっぽい白コートに身を包んだすばると彼女も登場。当初の心配はどこへやら、今回ピンクシャツ・チェックコート・白スーツ・赤ベストにこの衣装で、渋谷さん計5着も作ってもらってます。松竹座より多いよ。(そこは素直に予算の違い)「君たちにもすまないことをした」と謝るラッキーに、すばる「いや、俺たちはうまくいったよ」なんでも観客の中に映画関係者がいて、すばる達二人がスカウトされたとのこと。どうりで最初(チェック)よりずいぶんといいコートを着てると思ったら、そんな仕事が入りましたか!そこへ花嫁花婿衣装のモーガンサルとメイベルが飛び込んできて、間もなくペニーがリカルドと結婚してしまうと報告。昨日の今日で、もう結婚式!?1930年代の時間は、現代よりえらく早く流れているようです。つーか、その前にこの二人(モーガンサルとメイベル)はすでに結婚式を挙げたのか。どんなスピード婚だ。しかし彼女はリカルドを選んだんだと諦めるラッキーの前に、再びアキヤマ親子が登場。「貴方は私を愛してなかったし、私も愛しているのは(過去に結婚しそこねた)あの人だけ」というアキヤマ妹、ロケットに入れていたその彼の写真を「ね、ステキな人でしょう」とラッキーに見せる。すると急に顔を輝かせたラッキーは、メイベルに「ペニーをここに連れてきて」と頼み、すばる達に「協力してくれ」と依頼する。すばるは賞金さえ絡まなければいいヤツらしく、「わかった」と笑顔でリカルドを足止めしにいく。連れてこられたペニーは、ラッキーの顔を見て「何の用なの」とつれない態度だが、ラッキーは自信満々で「君はリカルドと結婚したがっていない」と断言。そこへすばる達と共になだれ込んできたリカルドとそのコーラス隊、すでに顔を出すだけで笑いが取れる出オチ的存在が羨ましい。(だから羨むポイントはそこじゃないってば)そこでアキヤマ妹と顔を合わせて驚くリカルド、なんと彼らは父親の策略で互いに誤解しあったまま結婚できなかった、かつての恋人同士だった。再会して誤解が解けた途端、「私彼と結婚する!」と宣言したアキヤマ妹に、「僕も愛しているのは君だけだ!」とリカルド。いいんですか、赤坂さん?ヒッパレでアナタが「マイケル富岡の弟分」と紹介していたアキヤマの妹ですよ!?とにかくこれでリカルドと結婚することはなくなったペニー、運命をラッキーコインに託して「表が出たら(ラッキーと)結婚する、裏が出たらお終い」とコイントス。すると2/6昼公演ではここでハプニング、なんとまひる嬢コインを床に落としてしまう、初歩的だがありがちなミス。しかし即座に三田村さんがそれを体で覆い隠すように拾い、目を瞑って見えない振りしてまひる嬢へ差し出す!まるで台本の一部のように自然な動きに、客席には笑いが起こり、舞台上にはホッとした空気が流れる。すごい、三田村さん!上沼恵美子の隣で(以下略)だけじゃなかった!そして無事コインは表を向き、ペニー「貴方って本当にラッキーな人ね」ラッキー「そうさ、だから僕の名前はラッキー・ガーネット!」と、大円団。


カーテンコール

まひる嬢以外の女性陣が一斉に捌け、坂本紺野を囲んだ男性陣(すばる含む)が二人を囲む。前の人の肩に手をかけて汽車ポッポ状態(間抜けな説明だが、これしか浮かばない)で二人の周りをくるくると回るのが、大変楽しそう。ここにきてすばるも自分の役割が終わったと安心感で、にっこにこの笑顔満載。あー、かわいい!汽車ポッポのまますばる達が捌けた後、舞台上には四角い足場のようなものがいくつも用意され、その上に坂本紺野の二人が乗って歩き出すと、一つずつNEVER GONNA DANCEの電飾が光るセット。おー、ブロードウェイっぽい!(イメージ貧困)そこへタキシードを纏ったダンサー達がやってきて、全部で15個のセット上でタップダンス。その中にはすばるの彼女やアキヤマ妹も混じっており、アニキの踊れない(知らないけど決めつけ)タップダンスを妹は踊ってます!タップ隊が捌けると今度は順に出演者が出てきて、拍手の中一礼。一緒に電車ごっこやってたおっちゃん達は皆タキシードに着替えているのに、すばるだけコンテスト時の赤黒ベスト衣装。なんで?サイズが合わなかったか?子供用でもなかったのか!しかし舞台(というか女性相手のダンス場面)さえ終われば終始ニコニコの渋谷さん、この時も後ろでまとめたドレッドヘアの頭を深々と下げ、顔を上げると、やっぱり笑顔。ギャー、もうこの表情を見るためだけに通ってもいい!(発狂)最後はもちろん坂本さんで締め、なんだかホントにミュージカルみたいな終わり方。>一体なんの舞台だと思っていたのか。


ん?後半はすばるの出番も多いから、ほとんどすばるレポになるかと思ったのに、終わってみれば半分アキヤマ妹に乗っ取られてる…。見終わって会場を出る際にも、後ろの客が「妹はかわいいのにね」と話題にしてるし(いや、アキヤマもちょっと濃いだけでハンサムだとは思いますよ?>フォロー)、やっぱりアキヤマ妹はジャニタレの出る舞台でちゃダメだ。だって、坂本&すばる目当ての客の99%が兄ちゃんの顔を思い浮かべて見ていたはず。(含む自分)